第1回哺乳マガジン
2018.07.21 肉用子牛
メイプルファームの母牛は仔牛を生むことで牛乳を出してくれます。
今回はその仔牛の飼養について詳しく紹介したいと思います
メイプルファームに1頭の仔牛が誕生しました!
この子を通して、仔牛達のメイプルファームライフを紹介します!
生後1日目
メイプルファームでは仔牛が誕生すると、早期に母牛と分離し、消毒された清潔な独房へ運ばれます。そしてここからは私たちが母親代わりとなり、愛情いっぱい育てていきます。
仔牛が生まれてまず大切なこと、それは「初乳」を与えることです。仔牛は人間と違い、胎盤から免疫グロブリン(=抗体)を獲得できないため、免疫を持たない「とても無防備な状態」で生まれてきます。初乳を飲むことで初めて免疫グロブリンが獲得でき、健康な体に育っていくのです。
そしてこの免疫グロブリンの吸収は、6時間を区切りに低下していく為、必ず6時間以内に子牛が飲めるように、分娩時間によって担当者を決めています。
生後2日目〜
初乳が終わると、全乳(※母牛の乳)、全乳と粉乳(※粉ミルク)を混ぜたもの、粉乳へと、ミルクの種類を徐々に切り替えていきます。初めは人の手で飲ませてあげますが、成長と共に自力で飲めるよう、飲む場所を教えていきます。
ミルクを与えると嬉しそうに尻尾を振りながら飲む姿はなんとも愛おしいです!ぜひインスタグラムの尻尾フリフリ動画をみてください♪
体調の悪い子牛には治療もしています。獣医さんと治療方針を相談しながら、自分たちの手で注射や補液(※点滴)を行います。子牛への負担を小さくするために、早期発見・早期治療を心がけています。
生後20日前後〜
ある程度ミルクを飲めるようになった子牛は別の牛舎にお引越しします。お引越し先はドッグランのように広い「ロボット哺乳舎」です。
ここではミルクの給餌を「哺乳ロボット」で行っています。仔牛がミルクを飲む場所に入ってくると、自動でミルクが製造・給餌される優れものです!
ロボットの利点は、仔牛が好きな時間にミルクを飲めること、人の手がかからないことです。どんな風に活用しているかは、またの機会に紹介しようと思います。
ロボット哺乳舎は「前期」「後期」の2群管理をしています。「前期」は独房から移動してすぐの仔牛、「後期」は成長して出荷が近い仔牛がいます。
この時期になるとルーメン(第一胃)も徐々に成長してくるので、ミルク以外の消化能力も身についてきます。そうなって初めて配合飼料や乾草も給餌し始めます。前期のうちに遊び半分で慣らしていき、後期で本格的に食べられるようにします。
生後60日前後
出荷の時期です。私たちが育てるのはこの時期まで。この後は市場で競りにかけられ、主に肉牛専業の肥育農家さんのもとへ買われていきます。仔牛が農家さんのもとで元気に成長すること、農家さんがメイプルファームの牛を飼って良かったと思ってもらえることを願いながらいつも出荷しています。
いかかでしたか?簡単ではありましたが、少しでもメイプルファームの子牛のことがわかってもらえたら嬉しいです。
この記事を書いた人

哺乳担当者。やさしいまなざしで仔牛を日々見守っています!