蹄管理について
2018.06.24 牧場について
牛の管理において非常に重要な「削蹄」という仕事にお伝えしようと思います。

削蹄とは
読んで字のごとく、蹄(牛のツメ)を削る(切る)仕事です。牛の蹄を切って、牛にとって最良の状態に蹄を維持し続けてあげることが、削蹄の目的です。
そもそもなぜ、蹄を切る必要があるのでしょうか?牛は本来、牧草地でのんびりと暮らす生き物です。軟らかい土の上では、蹄は自然と最良の状態に維持され続けます。しかし、牛舎内で暮らしていると、コンクリートなどの硬い地面の上で生活することは避けられません。硬い地面は蹄にとって大きなストレス(負荷)となり、このストレスから自らを守る為、蹄がながく伸びていきます。この伸びてしまった分を切って整えることを削蹄と呼びます。メイプルファームでは、年に3回プロの削蹄師を招き、この削蹄(定期削蹄)をおこなっています。
蹄病(ツメの病気)について
牛の蹄が病気になることを蹄病と呼びます。人が乳牛を管理する上では、切っても切り離せない病気です。年3回定期削蹄を行っても、蹄病は発生してしまいます。蹄病は、牛にとっても、人にとっても大きな負担となるものでとても厄介なものです。蹄病は大きく3種類に分類できます。
DD・・・細菌感染由来の蹄病。伝染する。人間でいう水虫みたいな病気でしょうか?(僕は水虫ではないので良くは分かりませんが)。世界的に酪農界での悩みのタネとなっている。痛い。重症化すると完治が難しくなる病気です。
蹄底潰瘍(ていていかいよう)・・・牛の体重が負荷となり、蹄内部の骨が蹄を刺激している状態。この状態が続くと蹄が圧迫され穴があくこともある。 栄養不足などが原因となることもある。
白帯病・・・メカニズム的にはケガのようなものだと認識しています。牛が歩行時にすべったりして、蹄の結合部にズレや歪みが生じる。そこへ菌が入り込むと炎症を起こし、放置すると化膿し強い痛みにつながります。
牛の蹄は近くで見るとだいぶ小さく感じます。その小さな蹄で700kgの巨体を支えるのだから、その管理の大切さ、重要さ、蹄病の厄介さが分かってもらえるかと思います。
蹄病の治療
上記で記述した、蹄病を治す為の削蹄を治療削蹄と呼んでいます。治療削蹄は、本来獣医師や削蹄師に依頼するものですが、メイプルファームでは従業員が行っています。その目的は、素早い治療です。蹄を痛めて肢を引きずって歩いている牛(跛行牛)が発見されれば、常時報告され遅くとも翌朝には治療がされます。
現在メイプルファームで削蹄が出来る従業員は5人おり、毎日治療が出来る環境を整え、牛が苦しむ時間が少しでも無くなるように努力をしています。削蹄の技術習得は、跛行牛を多く発見した従業員から順に行っています。これには場長の「やる気があり、牛をよく観察し、牛を思いやっている従業員に治療をしてほしい」という牛への優しい気持ちや願いがこもっています。僕たち従業員も、その思いをくみ取り、はやく治してあげたいという気持ちで日々蹄病と向き合っています。
ごく簡単に削蹄の概要等の紹介をさせてもらいました。難しい内容や僕の説明力不足によってわからないところも多々あったかと思います。ですが今回言いたいことはこれだけです。削蹄とは「優しさ」です。牛を思うやさしい気持ちです。
やさしい気持ちで牛と向き合う事が削蹄の、ひいては酪農という仕事の最も重要な根幹と言えるのではないでしょうか。
この記事を書いた人

蹄管理担当として、日々技術向上に励んでいます